1月14日 年間第二主日 マタイ2章1節~12節 神の子羊を証しする

 

今年はお正月早々に能登半島を中心に地震があり、心苦しい新年のスタートとなりました。被災者の方々に主の支えがあるように祈りましょう。

いきなり年間第二主日になって驚かれるかもしれませんが、本来は主の洗礼の主日の翌日から年間が始まるので、主の洗礼が第一主日にあたります。しかし今年は暦の関係で主の洗礼が8日の月曜日になるために、その翌日からが年間となっています。

 

今日の福音はヨハネの弟子、アンデレともう一人がイエスの弟子となるところから始まります。「あれ?アンデレは湖で漁をしているときにイエスに招かれたんとちゃうの?」と思われた方、その通りです。来週読まれるマルコの福音ではそうなっています。さらにアンデレは兄弟シモン(ペトロ)をイエスのところに連れていきます。シモンもアンデレといっしょに網を打っていたはずですね。いったいどっちが正しいのか、と言いたくなりますが、ヨハネの福音書の1章の始めからこの出来事を考えてみましょう。

ヨハネの福音書は主の降誕日中のミサで読まれる「はじめにことばがあった」で始まります。これはイエスのことですが、そのあとすぐに光・キリストを証しする者として洗礼者ヨハネが登場します。19節以降ではヨハネの証しの内容について、そして今日の箇所へと続きます。1章は洗礼者ヨハネが主役であるといってもいいくらいです。ヨハネの福音書ではいかに洗礼者ヨハネの存在が重要視されているかがわかりますね。

そのヨハネにはイエスを証しするとともに、イエスに引き継ぐ役割を与えられていたということです。アンデレともう一人の弟子がヨハネのもとからイエスの弟子になったのも、この役割を強調するためであったのではないでしょうか。

ヨハネは二人の弟子にイエスを見つめて「見よ、神の子羊だ」と告げます。今日の福音の直前の箇所でも前日の出来事として同様のことを告げています。二日連続でイエスと出会っていることになります。しかし二日目には告げられた弟子たちはイエスに従っています。そしてアンデレはイエスのことをシモンに告げます。彼もヨハネのようにイエスを証ししているのです。このように、ヨハネの証しはアンデレに受け継がれ、さらにシモン・ペトロに伝えられるという、証しのバトンタッチが行われているのです。

 

このプリントを手にされている、または集会祭儀で聞いているみなさんは、教会とつながっています。ということは、わたしたちも洗礼者ヨハネやアンデレのように、証し(宣教)のバトンリレーの中に組み込まれているということですね。

ミサでは平和の賛歌の中で「世の罪を取り除く神の子羊」と歌い、または唱えますが、これは洗礼者ヨハネの証しのことばです。それに続く「いつくしみをわたしたちに」「平和をわたしたちに」の「わたしたち」はミサに来ている人や信者だけではありません。すべての人が対象です。それを証しすることが求められているのです。   (柳本神父)